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なぜ日本の飲料メーカーは新商品に積極的なのか——海外メーカーとの事情の違い
春には桜フレーバー、夏には期間限定の炭酸、秋には栗や芋を使ったドリンク、冬にはホット専用の新商品——日本の飲料棚は季節ごとに顔を変える。 コンビニの棚を毎週眺めていると、気づけば見たことのない商品が並んでいる。この光景は日本では当たり前だが、海外から来た人には驚きとして映ることが多い。 なぜ日本の飲料メーカーはこれほど頻繁に新商品を出せるのか? 海外との比較で語るときのその答えの一つが、日本の小売に存在しない「スロッティングフィー」という仕組みにある。 海外では新商品を出すのにお金がかかる スロッティングフィー(Slotting Fee)とは、メーカーが小売店の棚に新商品を置くために小売側に支払う一括前払いの費用だ。 小売側の論理はこうだ。新商品の80〜90%が失敗するという現実から、未実績商品を棚に置くリスクをメーカーと分担する仕組みとしてフィーが機能している。 米国・欧州のスーパーマーケットで広く行われている慣行で、FTC(米国連邦取引委員会)の調査でも「スーパーマーケット業界で広く行われている」と認定されている。 この慣行が生まれた背景は棚

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5月25日読了時間: 5分


なぜ日本のノンアルコール市場にスタートアップが生まれないのか——大手飲料メーカーの歴史が作った構造
2025年、米国のAthletic Brewingはノンアルコールビール市場でシェア12.8%以上を獲得し、市場リーダーに立った。2017年創業のスタートアップが、わずか8年で大手の牙城を崩した格好だ。 英国ではSeedlipが2015年に創業し、4年後の2019年にDiageoに買収された。 日本ではこうした事例が生まれていない。ノンアルコール飲料市場は2成長を続けているが、市場を牽引しているのはアサヒ・キリン・サントリー・サッポロの大手4社だ。NAスピリッツ・NAワインはほぼ存在しない。 この構造は偶然ではない。日本の飲料産業が100年かけて作り上げた必然だ。 大手4社がノンアルコールを先占した 日本のノンアルコールビール市場は大手4社が支配している。 キリンが2009年に世界初の0.00%ビールテイスト飲料「キリン フリー」を発売し、サントリーが2010年に「オール・フリー」、サッポロが2011年に参入した。欧米でノンアルコールビールが本格的に普及し始める前に、日本の大手はすでに市場を作っていた。 Just Drinks誌はこの構造を端的に

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5月22日読了時間: 5分


"Microtail"とは何か——モクテルでもカンナビスでもない飲み物が、社交の場を変えるかもしれない
※本記事で紹介するTHC(テトラヒドロカンナビノール)含有飲料は、日本では麻薬及び向精神薬取締法により、残留限度値を超えるTHCを含む製品の製造・販売・所持が禁止されています。本記事はグローバルのトレンドとして紹介するものです。 2026年4月、米バーモント州のスタートアップCleannが「Microtail(マイクロテール)」という言葉を打ち出した。聞き慣れない言葉だが、「マイクロドーズ・モクテル」の略だ。 THCとCBDを微量配合したノンアルコール飲料で、1缶あたりTHC 1mg・CBD 15mgという設計。リンゴサイダーをベースに軽く炭酸を加えた、見た目は普通のクラフトドリンクだ。 なぜ「モクテル」でも「カンナビス飲料」でもなく、新しい言葉が必要だったのか。 そこにこの飲み物の本質がある。 モクテルでもなく、カンナビスでもない 「モクテル」という言葉は英語圏の人からするとフェイクを想起させる言葉だ(※「 『モクテル』という言葉を、世界のバーテンダーは嫌っている 」参照)。 一方「カンナビス飲料」という言葉は、医療や娯楽目的のカンナビス消費と

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4月21日読了時間: 3分


飲料の「カテゴリー」が問い直されている——サントリーの新戦略が示す、市場の構造転換
飲料市場には長らく、自明の分類があった。 ビール、ワイン、スピリッツ、コーヒー、お茶、炭酸飲料、スポーツドリンク。 消費者はカテゴリーを選び、その中でブランドを選んでいた。 メーカーはカテゴリーごとに棚を争い、競合を定義し、マーケティングを組み立てていた。 その前提が、静かに問い直されつつある。 サントリーが言語化したこと 2026年4月、サントリービバレッジ&フードは「新価値創造プロジェクト」方針を発表し、「ウエルネスケア」と「ムードシフト」の2つを新たな価値軸として打ち出した。 この発表の本質は、新商品を出すということではない。飲料の選択軸が変わったという認識を、日本最大手のメーカーが明示的に宣言したことだ。 リリースの中でサントリーはこう述べている。 「飲料の選択軸は、コーヒーやお茶といった従来の『カテゴリー軸』に加えて、心身にもたらす機能的な価値や、気分・利用シーンに基づく情緒的な価値といった『飲用によって得られる価値を起点とした軸』が台頭しています」 「カテゴリー軸」ではなく「価値軸」——この表現は、従来の市場構造の問い直しを示唆してい

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4月16日読了時間: 5分


烏龍茶はなぜ、夜の店から広まったのか——日本のノンアルコール市場の「原点」を辿る
1981年、サントリーが缶入り烏龍茶を発売したとき、誰もこれが日本のノンアルコール市場の原点になるとは思っていなかった。 きっかけは偶然に近かった。もともとウイスキーを飲食店に卸していたサントリーが、同じルートで烏龍茶も提供し始めた。すると、スナックやバーで働くホステスたちがこの飲み物を重宝し始めた。 理由はシンプルだ——色がウイスキーに似ていたからだ。 お酒が飲めない、あるいは飲みたくない。でも場の雰囲気は壊したくない。 グラスに琥珀色の液体が入っていれば、客の前でもウイスキーを飲んでいるように見える。 このきわめて実用的なニーズが、烏龍茶を夜の店に定着させた。そしてホステス経由で客にも「健康にいい飲み物」として口コミで広がり、やがて居酒屋・レストランへと波及していった。 「場を壊さない」という需要は、40年前からあった この歴史が示すのは、「場の空気を壊さずに飲めるノンアルコール飲料」へのニーズは、今に始まった話ではないということだ。 1981年当時、日本に選択肢はほとんどなかった。コーラやジュースは「子どもの飲み物」というイメージがあり、水

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4月6日読了時間: 4分


成長市場で、勝つスタートアップ、苦しむスタートアップ——ノンアルコール業界から読む、カテゴリー開拓の現実
市場が成長していれば、ビジネスもうまくいく——そう思いたいところだが、現実はそう単純ではない。 ノンアルコール飲料市場はここ数年、世界的に急成長を続けている。消費者の健康意識の高まり、若年層の飲酒離れ、Dry Januaryの定着——追い風は揃っている。 それでも、この市場で戦うスタートアップの多くが、資金難に陥っている。 Boissonの破産が示したこと 2024年4月、米国のノンアルコール専門小売Boissonが連邦破産法第11条の適用を申請し、全8店舗を閉鎖した。 Boissonはノンアルコール飲料専門の「聖地」として注目を集め、ペルノ・リカールのベンチャー部門を含む投資家から、少なくとも1,700万ドル以上の資金を調達していた。 2023年の売上は小売・ECを合わせて約1,100万ドル。数字だけ見れば成長軌道にあった―しかし資本が尽きた。 創業者のNicholas Bodkinsは破産申請後のLinkedInへの投稿でこう述べた。 「これはノンアルコールカテゴリーの失敗ではない。成長しすぎた、失敗したベンチャー投資スタートアップの話だ」.

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4月2日読了時間: 5分


不確実な時代に、アルコール市場はどう変わるか——過去の危機から読む、飲食店が知っておくべき構造変化
アルコール市場は長らく「景気に左右されにくい」と言われてきた。 不景気でも人は飲む、という俗説だ。 だが歴史を振り返ると、実態はもう少し複雑だ。そして今、その複雑さがかつてないほど前景化している。 リーマンショック(2008年)——「量」は守られたが、「中間」が消えた 2008年の金融危機は、アルコール市場に確かなダメージを与えた。 IWSRのデータによれば、危機前5年間(2003〜2008年)の世界アルコール市場の年平均成長率は1.0%だったが、危機後5年間(2008〜2013年)は0.1%まで失速した。 だが注目すべきはその中身だ。量の減少は限定的だった一方で、消費の構造が変わった。 ビールが大きく打撃を受け(2007年の6%成長から2009年の1%減へ)、スピリッツは相対的に堅調を維持した。 そして「価格帯の二極化」が起きた。標準価格帯の製品が苦戦する一方、超プレミアムと最安値帯の両端が生き残る。 消費者は「少なく飲んで、より良いものを選ぶ」か「とにかく安く済ませる」かの二択に収斂していった。 日本でも、リーマンショックの影響が数字に顕著に

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3月31日読了時間: 5分


EUがノンアルコールワインに「お墨付き」を与えた日——規制変更が業界に何をもたらしたか
2023年1月、欧州のワイン産業に静かな地殻変動が起きた。 EUの新農業政策の一環として成立したRegulation (EU) 2021/2117が本格適用を開始し、長年にわたって閉じられていた扉が開いた―原産地呼称保護および地理的表示保護を持つワインに対しても、脱アルコール処理が正式に認められたのだ。 フランスのボルドー、イタリアのキャンティ、スペインのリオハ。ヨーロッパのワイン文化を象徴するこれらの産地名を冠したワインが、ノンアルコール版として市場に出ることができるようになった。 規制変更以前——「格付けワイン」は手が出せなかった この変化の意味を理解するには、以前の規制がどれほど厳しかったかを知る必要がある。 EUは2009年から部分的な脱アルコール処理を認めていたが、対象は「格付けなしのジェネリックワイン」のみに限定されていた。 原産地呼称保護や地理的表示保護といった地理的表示を持つワイン——いわゆる銘柄ワイン——への脱アルコール処理は明確に禁じられていた。 さらに当時の規制では、アルコール低減は元のアルコール度数の20%までに制限され、

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3月30日読了時間: 4分


ボトル?グラス?ペアリング?——提供形式が変える、客単価と体験の設計
ノンアルコール飲料をメニューに加えた。商品も揃えた。でも思ったより売れていない——そういう声を飲食店から聞くことがある。 原因はいくつか考えられるが、見落とされがちなのが「提供形式の設計」だ。何を売るかではなく、どう出すか。これがノンアルコールの売上と体験の質を大きく左右する。 「グラス売り」の強みと限界 最もシンプルな提供形式はグラス売りだ。 1杯単位で注文でき、お客様にとって試しやすい。ノンアルコールに馴染みのない人への入り口として機能しやすいのが強みだ。 ただしグラス売りには構造的な課題がある。 1杯あたりの単価を上げにくいことと、「とりあえず1杯」で終わりやすいことだ。 アルコール飲料であれば食事の進行とともに追加注文が自然に発生するが、ノンアルコールはそのサイクルが回りにくい傾向がある。 これを補うには、一皿一ドリンクといったセットとの組み合わせか、複数グラスを前提とした提案が有効になる。「本日のペアリングノンアルコール」として各料理に合わせた1杯を順番に提供する形は、グラス売りの単価課題を解決しつつ、体験としての価値も高められる。 「

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3月25日読了時間: 4分


ノンアルコール市場で起きている「二極化」——なぜ高価格帯と低価格帯に分かれるのか
ノンアルコール飲料の市場が成長している、という話はよく聞く。だが「どう成長しているか」まで踏み込んで理解している人は少ない。 今、この市場では見逃しにくい構造変化が起きている。 高価格帯と低価格帯が同時に伸び、その間にあった「中間」が薄くなる——いわゆる二極化だ。これはアルコール市場全体で起きているプレミアム化の流れと、ノンアルコール固有の事情が重なった結果であり、飲食店がノンアルコールメニューを設計するうえで無視できない動きだ。 まず「量より質」という大きな潮流がある 背景として押さえておきたいのが、アルコール市場全体の変化だ。 IWSRによれば、世界の飲料アルコール市場は2024年に量が1%減少した一方、金額は1%増加した。「量は減っても、お金は使う」。消費者が「少なく飲んで、より良いものを選ぶ」という行動に移行していることを示している。 この潮流はノンアルコール市場にも波及している。IWSRはノンアルコールビール・ワイン・スピリッツにおいて、「プレミアム以上の価格帯が成長の主要な牽引役になっている」と指摘する。量が伸びているだけでなく、単価

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3月24日読了時間: 4分


ノンアルコールをメニューのどこに置くか——心理学が教える、注文率を変える小さな設計
「ノンアルコールのメニューは一応ある。でも正直、あまり注文されない」 こう話す飲食店のオーナーやバーテンダーは少なくない。選択肢を用意することと、それが実際に選ばれることは、別の問題だ。 ノンアルコール飲料を「置く」という意思決定をした後に、多くの店が見落としているのがメニューの設計だ。どこに載せるか、どう書くか、どう価格を見せるか。こうした細部が注文率に影響する可能性がある——行動科学とメニュー工学の研究が、そのヒントを与えてくれる。 消費者はメニューをどう「読む」か まず前提として、客はメニューを上から下へ順番に読まない。 アイトラッキング技術を使った研究によると、消費者の視線はメニューを「読む」のではなく「スキャン」する。 その動きには一定のパターンがあり、視線は最初にページの中央へ向かい、次に右上、そして左上へと移動する傾向がある。この三角形の領域は「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、メニュー設計において最も目に触れやすいゾーンとされている。 また、心理学における「系列位置効果」の知見も参考になる。Cambridge Coreに掲載され

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3月20日読了時間: 5分


日本に「飲めない人」は4割いる。それでも、ノンアルコール市場が伸び悩む理由。
日本には、お酒を飲めない人が思っている以上に多い。 厚生労働省の委託で実施された2022年度の「飲酒実態やアルコール依存に関する意識調査」(久里浜医療センター)によると、過去1年間に飲酒経験があると答えた人は全体の55.5%にとどまった。裏を返せば、約44.5%——成人のほぼ2人に1人——は、この1年でお酒を口にしていない計算になる。 飲食店の視点からすれば、これは無視できない数字だ。テーブルの半分近くが「飲めない客」である可能性がある。 では、この「飲めない層」はノンアルコール飲料市場の追い風になっているのか。データを見る限り、答えは単純ではない。 「飲まない」と「飲めない」は、まったく別の話だ 日本の非飲酒者の多くが「飲まない」のではなく、「飲めない」という事実がある。 アルコールを摂取すると顔が赤くなり、動悸や吐き気を覚えるフラッシング反応は、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが弱い人に起きる。この体質は東アジア人に多く、日本人の約4割が該当するとされる。体質的にお酒が飲めない人が、人口の一定割合を構造的に占めているのが日本市場の特徴

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3月18日読了時間: 4分


「とりあえずビール」は、もう呪文じゃない——飲食店が知っておくべき、飲み会文化の地殻変動
長年、日本の飲食店は「とりあえずビール」を起点に夜を設計してきた。 全員が同じ飲み物を手にすることで場が始まり、そこからお酒の追加注文が続く。ドリンクメニューはその前提で組まれ、スタッフの動き方もそれに合わせて設計されてきた。 だがいま、その前提が静かにほつれ始めている。 飲み会の「場」が縮んでいる まず起きているのは、飲み会という場そのものの変化だ。東京商工リサーチの2025年の調査によると、忘年会・新年会を開いた企業は57.2%にとどまり、コロナ前(78.4%)と比べて20ポイント以上減少している。コロナ対策がほぼ終わった現在も、職場の飲み会は完全には戻っていない。 「抵抗感を示す従業員が増えた」「需要が多くない」という理由が報告されており、これは単なるコロナの後遺症ではなく、働き方や価値観の変化を反映したものだと見られている。 残業規制の強化、タイムパフォーマンス重視のZ世代の台頭、プライベートの時間を優先する意識の高まり——こうした背景が、職場単位の飲み会を「当然のもの」ではなくしている。 飲食店にとってこれは客数の問題でもあるが、同時に

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3月13日読了時間: 4分


少なく飲んで、深く味わう——「Half Pour(ハーフポア)」が変えるドリンク体験の設計
お酒の席で、こんな経験はないだろうか。ワインのペアリングコースを頼んだら、気づけばボトル1本分ほど飲んでいた。途中から味の記憶があいまいになり、最後のグラスは「義務」のように飲み干していた。 ファインダイニングの世界で生まれた "half pour"(ハーフポア)という考え方は、まさにその問題意識から出発している。1杯の量を半分にすることで、より多くの銘柄を、より鮮明に体験できる。そしていま、この発想はカジュアルなバーや飲食店にまで広がりつつある。 「飲む量」は静かに、確実に減っている 背景にあるのは、アルコール消費をめぐる静かな変化だ。 IWSR(International Wine Spirits Research)とWine-Intelligenceの調査によると、米国のミレニアル世代における1回の飲酒機会あたりのカテゴリー消費数は、2024年から2025年にかけて2.1から1.7へと減少している。「いろんな種類を飲む」のではなく、「選んで、味わう」方向に意識が動いている。 消費者の意向も明確だ。2026年にSouthern Glazer'

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3月12日読了時間: 4分


「仕方なく」から「飲みたい」からへ——日本のノンアルコール市場、4年で何が変わったか
2025年9月25日、ニューヨークの国連本部で一つの会合が開かれた。 第4回NCDs(非感染性疾患)とメンタルヘルスに関する国連ハイレベル会合。心臓病やがん、糖尿病など生活習慣病の予防と管理について、各国首脳が2030年に向けた新たな政治宣言を採択する場だ。そこでアルコールは、タバコや不健康な食事と並ぶ「主要な修正可能なリスク因子」として明記された。 世界は静かに、しかし確実に、アルコールを取り巻く視線を変えている。日本でも同じことが起きている。ただし日本の場合、その変化は規制や警告からではなく、市場と消費者の側から動き始めた。 数字から見る4年間 2024年、日本のノンアルコール飲料市場は約4,580万ケースに達した。前年比111%、10年前の1.6倍。サントリーの推計では、2030年には5,600万ケース規模になると見込む。 この市場を牽引してきたのは、サントリー、キリン、アサヒといった国内大手の存在だ。彼らは今、そのノンアルを「代替品」ではなく「もう一つの主戦場」と位置づけ始めた。 メーカーが本気になった 変化を象徴するのが2025年秋の動

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3月11日読了時間: 5分


ノンアルコールメニューを増やしても売れない。その理由は?
ノンアルコール飲料の導入を検討している、あるいはすでに導入したが期待ほど売れていない——そんな声を飲食店から聞くことがある。 メニューの品揃えや価格設定の問題だと考えがちだが、多くの場合、根本的な原因は別のところにある。スタッフが自信を持って勧めていないのだ。 「メニューにある」と「売れる」は別の話 NIQの2025年Global Bartender Reportによると、飲み物を迷っているゲストの72%がスタッフに相談する。そしてバーテンダーの5人に4人が、毎シフト特定の飲み物をゲストに提案していると回答している。つまりスタッフの一言が、注文の分岐点になっている。 ノンアルコール飲料においてこの構造は特に重要だ。アルコールカクテルであれば、ゲストはメニューを見て自分で選べる。しかしノンアルコールへの親しみが薄いゲストにとって、スタッフの説明や推薦が背中を押す唯一のきっかけになることが多い。 逆に言えば、スタッフが積極的に勧めない限り、ノンアルコールメニューはメニュー上に存在しているだけで、ゲストの体験には入ってこない。 スタッフの前に立ちはだか

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3月10日読了時間: 4分


「ゼブラストライピング」って知ってる? 世界では定着しつつある、新しいお酒との付き合い方
「ゼブラストライピング(Zebra Striping)」。 聞いたことがある人は、まだ日本ではほとんどいないかもしれない。でも海外の飲料業界では、2025年にかけて急速に注目を集めているトレンドワードだ。 アルコール飲料とノンアルコール飲料を、1杯ずつ交互に飲む——ただそれだけのことなのだが、このシンプルな飲み方が、世界の「節制トレンド」を語る上で外せないキーワードになりつつある。 今回は、このゼブラストライピングとは何か、なぜ今これほど話題なのか、そして日本への示唆について整理してみる。 そもそもゼブラストライピングって何? ゼブラストライピングとは、一度の飲み会や食事の席で、アルコール飲料とノンアルコール飲料を交互に飲む行動のことだ。 ビールを1杯飲んだら、次はノンアルビールかスパークリングウォーター。ワインを1杯飲んだら、次はノンアルカクテル。白と黒のシマ模様(ゼブラ柄)のように交互に繰り返すことから、この名前がついた。 「断酒」でも「完全にお酒を抜く」でもなく、1杯ごとのリズムで自分をコントロールする。この「どちらでもあり得る」感覚が、

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3月6日読了時間: 5分


「飲酒ガイドライン」と「ゼブラストライピング」
政府による初となる「飲酒に関するガイドライン」の作成 厚生労働省は2022年10月31日に、初めてとなる「 飲酒に関するガイドライン」を作成すべく、専門家らによる検討会を開催した。 年齢や体質に基づく適切な飲酒量や飲み方等についてのガイドラインは、日本政府による作成は初めてとのこと。 背景には、2019年に行われた「国民健康・栄養調査」で生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人は、男性14.9%・女性9.1%、さらに、 長期の過剰な飲酒によって肝臓の病気を引き起こして死亡した人は5480人と言われており、こうした飲酒リスクへの対処策という見方もできる。 海外では「ゼブラストライピング」という新しい流れも こうした公的機関主導の節酒の取り組みは海外でも取り組まれているが、もっと草の根運動的な一般消費者発の新しいトレンド「ゼブラストライピング」についても注目したい。 「ゼブラストライピング」とは、縞模様のようにアルコール、ノンアルコールを交互に飲んでいくことでトータルのアルコール摂取量を減らすというもの。 政府や大企業などが主導になって広まってい

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2022年11月8日読了時間: 2分


The shrinking alcoholic beverage market and the future of the non-alcoholic market
The alcoholic beverage market has shrunk by more than 25% since the peak period of 1992. According to the National Tax Agency's Liquor...

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2022年9月14日読了時間: 3分


縮小を見せる酒類市場とこれからのノンアルコール市場
平成ピーク時から25%以上縮む酒類市場 国税庁の酒レポートによると、2020年の成人一人当たりの酒類消費量は、 - 平成元年(1989年)と比較すると21.63%の落ち込み - 消費のピークである平成4年(1992年)と比較すると26.33%の落ち込み となっている。...

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2022年8月18日読了時間: 3分
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