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ノンアルコールを飲む人の9割は、お酒も飲む——「飲まない人のための飲み物」という誤解
飲食店がノンアルコール飲料を導入するとき、こんな前提で動いていることが多い。 「飲めない人、飲まない人のために用意する」―ドライバー、妊婦、下戸、禁酒中の人——いわば「例外的な客」への対応として。 だがこの前提が、ノンアルコールの可能性を狭めているかもしれない。 92%が、アルコールも飲む NielsenIQが2025年に発表したレポートで、興味深いデータが示された。米国でノンアルコール飲料(ビール・ワイン・スピリッツ)を購入した人のうち、92%が同時にアルコール飲料も購入していた。 つまり、ノンアルコールを選ぶ人の大半は「お酒が飲めない人」ではない。お酒も飲む人が、その日の気分や場面に応じてノンアルコールを選んでいる。 NielsenIQはこの傾向を「禁酒ではなく、選択の拡張」と表現している。飲まないのではなく、飲み方を選んでいる。 メニューの現場でも、同じことが起きている 消費者データだけではない。飲食店のメニュー側でも、変化の兆候は数字に表れている。 Datassentialの調査によれば、ゼロプルーフカクテル(モクテル)はこの4年でメニュ

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3月27日読了時間: 3分


ノンアルコールは、なぜ「もう一杯」が生まれにくいのか——その理由と、1杯の価値を高める設計
飲食店でノンアルコールを導入したとき、こんな現象に気づくことがある。 アルコール飲料を飲むお客様は2杯、3杯と注文が続くのに、ノンアルコールを選んだお客様は1杯で止まってしまう。 これは「ノンアルコールが好まれていないから」ではない。体の仕組みが、そうなっている。 アルコールが「もう一杯」を生み出す理由 アルコールが「もう一杯」を生み出す2つの理由―お酒を飲むと、なぜ次々と飲み続けられるのか。 実はこれには、独立した2つのメカニズムが同時に働いている。 1.体が乾く(ADH抑制) 脳の下垂体は「抗利尿ホルモン(ADH)」というホルモンを分泌している。ADHは腎臓に「水分を体に再吸収しなさい」と指令を出す、いわば体内の「水の番人」だ。 ところがアルコールが体内に入ると、脳はこのADHの分泌を抑制してしまう。 番人がいなくなった腎臓は、水分をそのまま流し続ける―結果として排尿が増え、体は脱水状態に向かう。 脱水すると脳から「水分を補給せよ」という信号が出る。この「渇き」が「もう一杯」を促す。 アルコールを飲むことで体が乾き、乾くからまた飲む——このサ

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3月26日読了時間: 3分


ノンアルコールが、急においしくなった理由——製造技術、この5年の進化
「ノンアルコールって、なんか薄いんだよな」 そう感じていた人ほど、最近のノンアルコール飲料を飲んで驚くかもしれない。 ビールはホップの苦みとモルトの厚みを持ち、ワインは果実の複雑さと余韻を備え、スピリッツは植物由来のボタニカルが鼻腔を抜ける。 数年前とは、明らかに別物だ。 何が変わったのか。答えは「どうつくるか」にある。 ノンアルコール飲料の「つくり方」は、ひとつじゃない まず前提として、ノンアルコール飲料の製造アプローチは大きく3つに分かれる。 脱アルコール方式 ——いったんアルコールを含む飲料を造り、後からアルコールだけを取り除く。引き算の発想だ。ビールやワインなど、本来の発酵プロセスから生まれる複雑な風味を最大限活かせる一方、「いかに繊細にアルコールだけを抜くか」という技術力が品質を左右する。 インフュージョン方式 ——ボタニカルや植物素材を抽出・調合し、複雑な風味を「足し算」で構築する。発酵やアルコールを前提としないため、設計の自由度が高く、素材そのものの個性を前面に出せる。ノンアルコールスピリッツの多くがこのアプローチを採用している。

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3月23日読了時間: 5分


ノンアルコールをメニューのどこに置くか——心理学が教える、注文率を変える小さな設計
「ノンアルコールのメニューは一応ある。でも正直、あまり注文されない」 こう話す飲食店のオーナーやバーテンダーは少なくない。選択肢を用意することと、それが実際に選ばれることは、別の問題だ。 ノンアルコール飲料を「置く」という意思決定をした後に、多くの店が見落としているのがメニューの設計だ。どこに載せるか、どう書くか、どう価格を見せるか。こうした細部が注文率に影響する可能性がある——行動科学とメニュー工学の研究が、そのヒントを与えてくれる。 消費者はメニューをどう「読む」か まず前提として、客はメニューを上から下へ順番に読まない。 アイトラッキング技術を使った研究によると、消費者の視線はメニューを「読む」のではなく「スキャン」する。 その動きには一定のパターンがあり、視線は最初にページの中央へ向かい、次に右上、そして左上へと移動する傾向がある。この三角形の領域は「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、メニュー設計において最も目に触れやすいゾーンとされている。 また、心理学における「系列位置効果」の知見も参考になる。Cambridge Coreに掲載され

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3月20日読了時間: 5分


ノンアルコールワインを飲んでいるのは、どの国か——消費ランキングの「ズレ」が教えてくれること
世界のワイン消費地図と、ノンアルコールワインの消費地図は、よく似ているようで、微妙にずれている。 そのずれに、ノンアルコールワイン市場の本質が隠れている。 世界のノンアルコールワインは、5市場に集中している IWSRのデータをもとにWine Australiaが2025年2月に発表したレポートによると、2023年のノンアルコールワイン世界消費量は約450万ケースで、その4分の3が5つの市場——米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア——に集中している。 同年、ノンアルコールワインの消費量が最も多いのは米国で約100万ケース。2028年には約180万ケースに達すると予測されており、成長速度においても世界をリードしている。英国は現時点では米国に次ぐ規模で、2028年には100万ケースを超える見通しだ。 一方、このレポートはアジアについて明確に指摘している。「アジアにはノンアルコールワインのほぼ存在感がない」と。 通常ワインの消費ランキングと比べると、何かが見えてくる OIVの2024年データによる通常ワインの世界消費量ランキングは、米国、フランス

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3月19日読了時間: 5分


日本に「飲めない人」は4割いる。それでも、ノンアルコール市場が伸び悩む理由。
日本には、お酒を飲めない人が思っている以上に多い。 厚生労働省の委託で実施された2022年度の「飲酒実態やアルコール依存に関する意識調査」(久里浜医療センター)によると、過去1年間に飲酒経験があると答えた人は全体の55.5%にとどまった。裏を返せば、約44.5%——成人のほぼ2人に1人——は、この1年でお酒を口にしていない計算になる。 飲食店の視点からすれば、これは無視できない数字だ。テーブルの半分近くが「飲めない客」である可能性がある。 では、この「飲めない層」はノンアルコール飲料市場の追い風になっているのか。データを見る限り、答えは単純ではない。 「飲まない」と「飲めない」は、まったく別の話だ 日本の非飲酒者の多くが「飲まない」のではなく、「飲めない」という事実がある。 アルコールを摂取すると顔が赤くなり、動悸や吐き気を覚えるフラッシング反応は、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが弱い人に起きる。この体質は東アジア人に多く、日本人の約4割が該当するとされる。体質的にお酒が飲めない人が、人口の一定割合を構造的に占めているのが日本市場の特徴

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3月18日読了時間: 4分


ノンアルコールはビールだけですか?——日本市場が見落としているもの
日本のノンアルコール飲料市場は、いま確かに成長している。 いまや飲食店の棚にノンアルコールビールが並ぶのが当たり前になり、コンビニのノンアルコールコーナーは年々充実している。 ただ、その成長の中身を見ると、ひとつの偏りが浮かび上がる。 伸びているのは市場だけで、カテゴリーは広がっていない。 サントリーの推計データでカテゴリー別の内訳を確認すると、2025年見込みでノンアルコールビールテイスト飲料は3,615万ケースと、市場全体の約76%を占める。 RTDテイスト飲料が992万ケース(約21%)、ワインテイスト飲料が119万ケース(約2.5%)と続くが、ビール以外のカテゴリーを合わせてもまだ市場の4分の1に届かない。 グローバルでは、何が起きているか IWSRが2023年データをもとに集計した、主要10市場(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、日本、南アフリカ、スペイン、英国、米国)のノンアルコール飲料カテゴリー構成では、ビール+サイダーの合計シェアが72%だった。 ここで注意が必要なのは、IWSRにおける「サイダー(Cider)」

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3月17日読了時間: 4分


ノンアルコールビールが、世界第2位のビールカテゴリーになろうとしている
ビールの歴史は長い。ラガー、エール、スタウト——数百年をかけて積み上げられてきたカテゴリーの序列が、いま静かに塗り替えられようとしている。 IWSR(飲料アルコール市場の国際調査機関)が2025年5月に発表したデータによると、2024年にノンアルコールビールの世界販売量は前年比+9%を記録した。アルコールビール全体の販売量が同年-1%で落ちたのとは対照的な動きだ。 この成長を受けてIWSRは、2025年中にノンアルコールビールがエール(上面発酵ビール)を抜き、ラガーに次ぐ世界第2位のビールカテゴリーになると予測している。 なぜここまで伸びたのか IWSRのノンアルコール部門責任者、スージー・ゴールドスピンク氏は、ノンアルビール躍進の要因を3点に整理している。良質な商品の増加、流通の拡大、そして大規模なマーケティングだ。 この3点は、数年前まで課題だったものでもある。「ノンアルはまずい」という認識、スーパーやバーでの選択肢の少なさ、そして「飲めない人が仕方なく選ぶもの」というイメージ。それらが順番に解消されてきた。 品質面では、一度ビールを醸造して

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3月16日読了時間: 4分


ノンアルコールメニューを増やしても売れない。その理由は?
ノンアルコール飲料の導入を検討している、あるいはすでに導入したが期待ほど売れていない——そんな声を飲食店から聞くことがある。 メニューの品揃えや価格設定の問題だと考えがちだが、多くの場合、根本的な原因は別のところにある。スタッフが自信を持って勧めていないのだ。 「メニューにある」と「売れる」は別の話 NIQの2025年Global Bartender Reportによると、飲み物を迷っているゲストの72%がスタッフに相談する。そしてバーテンダーの5人に4人が、毎シフト特定の飲み物をゲストに提案していると回答している。つまりスタッフの一言が、注文の分岐点になっている。 ノンアルコール飲料においてこの構造は特に重要だ。アルコールカクテルであれば、ゲストはメニューを見て自分で選べる。しかしノンアルコールへの親しみが薄いゲストにとって、スタッフの説明や推薦が背中を押す唯一のきっかけになることが多い。 逆に言えば、スタッフが積極的に勧めない限り、ノンアルコールメニューはメニュー上に存在しているだけで、ゲストの体験には入ってこない。 スタッフの前に立ちはだか

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3月10日読了時間: 4分


ノンアルコールメニューの価格、どう設定する? 海外の飲食店に学ぶ考え方
「ノンアルはアルコールより安くすべきでは?」 ノンアルコールメニューの導入を検討する飲食店から、この疑問をよく聞く。 直感的にはもっともな問いだが、海外の先進事例を見ると、この前提自体を見直す動きが広がっている。 「安いはず」という思い込みを、まず解きほぐす ノンアルコール飲料はアルコール原料が不要な分、コストが低いと思われがちだ。しかし実際はそうではない。 アルコールには香気成分を溶かし込む溶媒としての役割がある。これがない分、ノンアルコール飲料では香気成分の抽出により多くの原料と手間がかかる。 製造工程が複雑になるケースも多く、高品質なノンアルコールスピリッツの製造コストがアルコール飲料を上回ることも珍しくない。 加えて、提供側のオペレーションコストも見落とされやすい。スタッフがフレーバーの特性や食との相性を説明できるよう訓練するコスト、ハウスメイドのシロップやティンクチャー(ハーブ抽出液)などの手作り素材を使う場合の仕込みコスト。これらは原材料費には現れない。 「コストが低いから安く売れる」という前提は、必ずしも正しくない。 価格を下げるよ

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3月9日読了時間: 3分


「ゼブラストライピング」って知ってる? 世界では定着しつつある、新しいお酒との付き合い方
「ゼブラストライピング(Zebra Striping)」。 聞いたことがある人は、まだ日本ではほとんどいないかもしれない。でも海外の飲料業界では、2025年にかけて急速に注目を集めているトレンドワードだ。 アルコール飲料とノンアルコール飲料を、1杯ずつ交互に飲む——ただそれだけのことなのだが、このシンプルな飲み方が、世界の「節制トレンド」を語る上で外せないキーワードになりつつある。 今回は、このゼブラストライピングとは何か、なぜ今これほど話題なのか、そして日本への示唆について整理してみる。 そもそもゼブラストライピングって何? ゼブラストライピングとは、一度の飲み会や食事の席で、アルコール飲料とノンアルコール飲料を交互に飲む行動のことだ。 ビールを1杯飲んだら、次はノンアルビールかスパークリングウォーター。ワインを1杯飲んだら、次はノンアルカクテル。白と黒のシマ模様(ゼブラ柄)のように交互に繰り返すことから、この名前がついた。 「断酒」でも「完全にお酒を抜く」でもなく、1杯ごとのリズムで自分をコントロールする。この「どちらでもあり得る」感覚が、

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3月6日読了時間: 5分


変化し成長するDry January/ドライジャニュアリー
1月1日を迎えるたびに、世界中で同じことが起きる。 酒を飲まない1ヶ月間を宣言する人たちが、SNSに「#DryJanuary」(#ドライジャニュアリー)と書き込み始める。2013年にイギリスの慈善団体 Alcohol Change UK がわずか4,000人で始めたこのキャンペーンは、今や世界規模のムーブメントになった。 ここ数年で何が変わったのか、主要データを整理してみたい。 数字で見る、Dry Januaryのここ数年 Dry Januaryはどれほど広がっているのか。まず実態の数字から見ると、Morning Consultが行った調査では、アメリカ飲酒人口の内、22%がDry Januaryに参加したと回答しており、前年の17%から5ポイント上昇した。飲酒年齢以上の米国人口(約2億6,500万人)に当てはめると、約5,800万人が1月の断酒チャレンジに参加した計算になる。 フランスでも2020年の公式キャンペーン開始以降、参加者は急増している。2024年の調査では成人飲酒者の12%が参加したと推計されており、フランス成人全体に換算すると約4

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3月6日読了時間: 3分


2022年以降のノンアルコール世界市場
IWSRの2022年ノン/ローアルコールレポートが出ましたので、紹介していきたい。 IWSRのノン/ローアルコールレポートとは IWSRとはInternational Wine and Spirits Report とは、イギリスに本拠を構えるグローバル飲料市場の研究機関。...

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2022年12月2日読了時間: 2分


ノンアルコールペアリングのいろは
「ノンアルコールと料理のペアリングなんてどこから手をつけていいかわからない。」 そんな方も多いかと思います。 とりあえずここだけ押さえておけばというノンアルコールペアリングの初歩をご紹介させていただきます。 今回はドリンクと料理のどちらに軸足を置きながら、もう片方を考えてい...

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2022年10月6日読了時間: 4分


業務店向けノンアルコール市場実態調査結果レポート2022年
■調査概要 本レポートは2022年2月21日~2022年3月27日に、株式会社アルト・アルコが行った「業界向けノンアルコール実態調査」の集計結果をまとめたものとなります。 ■調査結果概要 今回の調査の結果から見えてきたのは印象的な点は次のようなものが挙げられる。...

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2022年4月13日読了時間: 4分


2022年のドライジャニュアリーは?
欧米諸国では徐々に文化としての定着をみせているドライジャニュアリー。 例年との違いは?ドライジャニュアリーという文化が、ノンアルコール、ローアルコール市場にどれほど寄与しているのか? *過去のドライジャニュアリーについては下記をご覧ください* 2019年:しらふな睦月...

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2022年2月15日読了時間: 2分


業務店向けノンアルコール市場実態調査結果レポート
■ノンアルコール実態調査について 当調査は、2021年2月15日~3月19日の間に株式会社アルト・アルコが日本各地の酒販店十数社のご協力のもと、業務店を対象に行ったおよそ10個の問いからならアンケート調査となります。 *レポートのダウンロードは本記事、下部よりお願い致します...

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2021年4月13日読了時間: 4分


大手メーカーが参入するノンアルコール市場
2015年の新たなノンアルコール市場の誕生以来、ゴールドラッシュのように多くのメーカーがこの業界で名乗りを上げてきた。 しかし、このトレンドに乗ろうとするのはなにも新興メーカーばかりではない。 ルイヴィトン傘下のディアジオが先行して以来、これまで多くの大規模メーカーも、この...

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2021年3月19日読了時間: 2分


■飲食店向けノンアルコール市場調査実施中~2021年3月19日■
2021年2月15日(月)~2021年3月19日(金)までの期間で、飲食店様向けのノンアルコール市場実態調査を行っております。 アンケートは下記より宜しくお願い致します。 ご回答にかかる時間は2~3分程度かと思います。 是非ご協力いただけますと幸いです。...

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2021年2月22日読了時間: 2分


まだまだ伸びる!世界のDry January事情
2021年もDry January(しらふな1月)の季節がやってきました。 2013年からイギリスではじまった、1月の間だけ断酒をして、一年の最初の月にお酒との付き合い方を見直すというこの試みも今年で9回目を迎えるに至った。 コロナ禍で迎えることとなったDry...

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2021年1月31日読了時間: 2分
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