以前、海外のノンアルコール価格相場について、『ノンアルコールカクテルの相場感』で見てきた。
今回は、国内のノンアルコールとアルコールの価格差について注目してみたい。
ビール vs ノンアルコールビール
今回のテーマを考えるにあたって、コンビニ各三社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)で販売されているビール、ノンアルコールビール、発泡酒、新ジャンルの全14種類四ジャンルの販売価格(350mlあたり)を比較してみた。
結果は、下記のようになった。
ノンアルコールビールは、ビールよりおよそ40%、発泡酒の10%安く、新ジャンルとほとんど同じ価格帯であることが分かる。
ワイン vs ノンアルコールワイン
次はワインについて考えてみる。
総務省統計局の調べによると、
一世帯当たりのワイン年間購入平均額は3,363円、平均数量は3,243ml
であり、換算すると約104円/100ml。
これに対して、市販されているノンアルコールワイン(スパークリング含む)35種類の平均参考価格は214円/100mlであり、実際に消費されているワインよりも倍も高いことがわかる。
もちろんワインは実際の購入価格であり、他方ノンアルコールワインは参考価格を単純に平均しただけではあるが、いくらかの乖離があることは知っておいてもいいだろう。
アルコールペアリング vs ノンアルコールペアリング
次は、昨今増えてきているペアリングについて考えてみる。
弊社で独自に都内のアルコールペアリングとノンアルコールペアリングを実施しているレストラン数十軒のデータをとったところ、
ノンアルコールペアリングはアルコールペアリングと比較して20%ほど価格が安いことが分かった。
また、比較的安価であること以外にも、
ノンアルコールペアリングはアルコールペアリングよりも杯数が少ない
ペアリングコースのバリエーションもノンアルコールペアリングの方が少ない
という二点も明らかになった。
以上を見ていくと、おおまかにではあるが、低価格帯ほどノンアルコールに対する割安感は強く(ビールvsノンアルコールビールで比較した場合)、高価格帯ほどアルコールとノンアルコールの価格の垣根は低くなっているように見受けられる。
ひるがえって、ノンアルコールのワインについては価格訴求の低価格帯と品質訴求の高価格帯のより明確なすみ分けがなされることで、市場が広がっていくのかもしれない。
参考サイト
『ワインの年間支出金額及び購入数ランキングが興味深い!あなたの故郷はワインを飲んでいるか?』CAVE
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