前回の『デートにおけるアルコールの役割』では、アルコール本来の持つ覚醒作用による動的な緊張緩和と原材料由来の香気がもたらすリラックス作用による静的な緊張緩和について見てきた。
この静と動を併せ持つ緊張緩和作用が、デートという特殊な環境下では重要な役割を果たすのかもしれない。
ノンアルコールではどうだろうか?
ノンアルコールのリラックス効果
ノンアルコールのリラックス効果は、使っているハーブなどの効能から期待できる。
ちなみに下記は、弊社取扱いの "/shrb" で用いられているハーブの効能一覧だ。
リラックスにあたる鎮静効果のみ色文字で表している。
ラベンダー:鎮静、鎮痙、抗菌、殺菌、防腐、抗炎症、抗うつ、鎮痛
ジュニパー:消化促進、鎮静、発汗、抗菌
ピンクペッパー:抗菌、抗うつ、美容
シナモン:鎮静、鎮痛、血圧改善、老化防止、血行促進、抗菌
アニス:消化促進、駆風、去痰、防腐、消臭
ジンセン:免疫向上、強壮、ホルモン分泌促進
コリアンダー:消化促進、駆風、抗菌、鎮静
フェンネル:鎮痙、胃腸機能の調整、発汗、利尿、去痰
ジンジャー:消化促進、血行促進、殺菌、発汗
ナツメグ:消臭、消化促進、鎮静、鎮痛
ハイビスカス:強壮、代謝促進、緩下、利尿、消化促進
ローズ:鎮静、収れん、抗菌、抗うつ、殺菌、整腸、抗炎症、強壮
ノンアルコールの興奮作用
では、前回「動的な緊張緩和効果」と呼んだ興奮作用について考えられるものはというと、
カフェインによる覚醒作用
ボタニカル由来の興奮作用
空酔いによる疑似効果
などであろうかと思う。
空酔いについては、『アルコール界のプラシーボ効果 空酔い』でも紹介したので、今回は割愛する。
では、カフェインの覚醒作用とはどういったものなのか?
カフェインを摂取することで興奮状態になると思われがちだが、実は本当のメカニズムは少し異なる。
カフェインは、興奮のスイッチを入れるわけではなく、眠気のスイッチを入らなくするのである。
より詳しく説明すると、人は起きているとき(脳が興奮状態にあるとき)、アデノシンという物質が分泌される。アデノシンは分泌後、受容体と結びつき、その量が脳や脊髄で一定以上の量になると眠気に襲われるような仕組みになっている。
カフェインは摂取されたのち、アデノシン受容体の一部と結びつき、アデノシンと受容体と結合するのを阻害するため、結果として覚醒作用を引き起こすのである。
こうして比較してみると、理性を司る大脳新皮質の働きを鈍らせ、本能的を司る部位を活性化させるアルコールの興奮作用とメカニズム自体は近い。しかし、睡眠欲求を抑制するカフェインと本能や衝動を活性化するアルコールではやはり少し違いがあるように思う。
前回のデートの話に戻ると、デートのような特殊な環境下をノンアルコールのみで楽しむのはあまりに紳士淑女的なきらいがあり、一部の人にはやはり受け入れられづらいのかもしれない。
参考サイト
『ハーブのちから』
『カフェインは結局、ヒトにどんな作用を及ぼしている? 専門書の著者に聞いてみた』lifehacker
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