変化し成長するDry January/ドライジャニュアリー
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- 9 時間前
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1月1日を迎えるたびに、世界中で同じことが起きる。
酒を飲まない1ヶ月間を宣言する人たちが、SNSに「#DryJanuary」(#ドライジャニュアリー)と書き込み始める。2013年にイギリスの慈善団体 Alcohol Change UK がわずか4,000人で始めたこのキャンペーンは、今や世界規模のムーブメントになった。
ここ数年で何が変わったのか、主要データを整理してみたい。

数字で見る、Dry Januaryのここ数年
Dry Januaryはどれほど広がっているのか。まず実態の数字から見ると、Morning Consultが行った調査では、アメリカ飲酒人口の内、22%がDry Januaryに参加したと回答しており、前年の17%から5ポイント上昇した。飲酒年齢以上の米国人口(約2億6,500万人)に当てはめると、約5,800万人が1月の断酒チャレンジに参加した計算になる。
フランスでも2020年の公式キャンペーン開始以降、参加者は急増している。2024年の調査では成人飲酒者の12%が参加したと推計されており、フランス成人全体に換算すると約450万人規模になる。
英国発→欧米拡張→アジアへ。広がる公式パートナー国
もともと英国限定だったDry Januaryは、ここ数年で公式ライセンスを持つ国が一気に増えた。
スイス(2021年)、ノルウェー・アイスランド(2022年)、米国・ドイツ(2023年)、イタリア(2024年)など、公式パートナーが相次いで誕生 している。
国によっては独自の形に進化しており、例えばカナダやチェコでは1月ではなく2月に行う「Dry February」が定着しているという。
2025年の最大の変数:米国公衆衛生局長の警告
2025年のDry Januaryに特別な追い風を吹かせたのが、1月3日、米国公衆衛生局長ヴィヴェック・マーシー氏が発表したアルコールとがんリスクに関する勧告だった。
内容は明快だった。アルコール摂取は年間約10万件のがん発症と2万件のがん死亡に関与しており、タバコ・肥満に次ぐ予防可能ながん原因の第3位 だという。対象となるがんは乳がん・大腸がん・食道がん・肝がん・口腔がん・咽頭がん・喉頭がんの7種類で、乳がんのリスクは1日1杯程度の飲酒でも上昇することが示された。
Dry Januaryのタイミングと重なったこの発表は、健康への関心が特に高い1月の参加者を後押しした。Harvardの研究者が10月に発表した分析では、米国成人で「飲酒する」と答えた割合が54%となり、Gallupが初めて調査した1939年以来の最低水準を記録していることも明らかになった。
参加者の「中身」も変わった
注目すべきは、誰が参加しているかの変化だ。
かつては若年層・高所得層・都市居住者が中心だったが、2025年は低所得層の参加が8ポイント増と最大の伸びを示し、全所得層の中でトップになった。また、参加者の7割が1月中は一切飲まないと回答しており、中途半端な「ゆるい断酒」より完全禁酒を選ぶ割合が高まった。
参加動機の面でも変化がある。健康改善(35%)、飲酒量の削減(21%)、減量(12%)、年末年始の飲みすぎリセット(11%)が上位の理由で、「やってみたいから」という好奇心型から「本気で変えたい」という意志的な動機へのシフトが見える。
日本への示唆
Dry Januaryはまだ日本で公式に展開されていない。ただ、世界の動きを見ていると、「1月は飲まない」という選択肢が普通になりつつある市場の変化は、日本の業務店にとっても無縁ではない。
1月の飲食店来店客が「ノンアルで乾杯したい」と思ったとき、その選択肢がどれだけ魅力的に揃っているか。Dry Januaryが世界で広がるほど、この問いの重みは増していくだろう。
参考資料




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