飲料を問わず、様々な分野で盛り上がってきているオーガニック市場。
今回は、世界のオーガニック食品市場のデータを見て、この動向を改めて確認していきたい。
世界のオーガニック市場推移
オーガニック食品市場は、かなり息の長い市場で一時的なトレンドなどではなく、完全に文化として定着している。
2000年時点で世界全体でおよそ180億ドルの市場になっており、その後の推移も安定して伸びてきている。2017年時点では970億ドル(他調査では1240億ドルとも)にまで達している。
市場規模では、北アメリカ市場が全体の40%ほど、欧州市場で全体の30%ほどをカバーしている。
より具体的には、アメリカ、ドイツ、フランスがオーガニック市場の上位三ヵ国である。
さらに2017年から2024年までの市場規模拡大の見込は、三倍以上ともいわれており、3230億ドルとも推定されている。
オーガニック市場のファクトセット
オーガニック市場にかかわる、様々な事柄をまとめたものが上図である。
市場規模や成長率とはうらはらに、有機農法が行われている農地が全農地のわずか1.1%しかないというのは、今後さらなる成長の余地を残しているといえるのかもしれない。
隆盛の背景
これまでとこれからのオーガニック市場の成長の背景には、どのような事情があるのだろうか。
様々なレポートでは主に以下の六つについて言及されている。
都市化
可処分所得の上昇
ライフスタイルの変化
オーガニック農産物のメリットの認知普及
有機農法のノウハウの普及と発達
中国やインドなどの大国へのグローバルチェーンの参入
ある研究ではオーガニック食品の価格は、通常の食品よりも30%高いと言われている。
そのため、①~④のような消費者サイドの経済的・心理的な変化は必要条件となってくる。
その一方で、供給サイドにおいても製造面(⑤)や流通面(⑥)の変化が起き、オーガニック市場の成長を加速させてきたといえる。
次回は、このような前途洋々のオーガニック食品市場の懸念点を見ていく。
参照サイト
"Global Organic Food & Drink Market" ecovia intelligence Mr. Amarjit Sahota
"Global organic food market" Jelena Golijan, Bojan Dimitrijević
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