しらふな神無月 - Sober October / Ocsober

1月、7月としらふキャンペーンを追ってきてが、今回は10月のSober October / Ocsoberについて見ていきたい。
なぜ二つの呼び方があるかというと、赤道を隔てて二つの国で実施されているからである。
Sober Octoberはイギリスで、Ocsoberはオーストラリアで実施されているしらふキャンペーンの名称だ。いわずもがな、OcsoberはOctober(10月)とSober(しらふ)を造語である。
Google Trendで見てみても、それは一目瞭然である。

Ocsober @ オーストラリア
オーストラリアの薬物中毒・アルコール中毒患者のためのNPO団体" Life Education Australia"に2008年から企画され、有志の人々から寄付を募って運営されている。
「しらふな文月 - Dry July」同様に寄付×禁酒の試みである。
また、Life Educationの調べでは、アルコール中毒による死者はオーストラリアで毎年81,000人いると言われており、Ocsoberが飲酒習慣を見直すきっかけとなればと願っている。
Sober October @ イギリス
実は、イギリスのSober October もオーストラリアのOcsoberに端を発している。
Sober Octoberの母体は、 Macmillan Cancer Supportという癌患者をサポートするイギリス最大のチャリティー団体。歴史は古く、1911年までさかのぼる。
2019年の今回は、66,168人から£3,206,238(約4.5憶円)の寄付を集めている。
影響力の低下
これまで見てきたように様々な禁酒キャンペーンが登場していることを考えると、このムーブメントは今後より大きなものになっていきそうに思うが、実際はそう簡単でもない。
特にOcsoberとSober October については、上のGoogle Trend からもわかるように、若干ではあるが注目度が落ちてきており、Sober Octoberの寄付金額を見ていっても、ピークとなった2017年の£420万から2018年£350万と低下してきている。
この原因の一つとして、寄付を絡めた禁酒キャンペーンの増加が背景にあるように思われる。同様のイベントが増えれば増えるほど、寄付金の分散は免れえない。
このような寄付型イベントが低迷している一方で、Dry Januaryなど参加型イベントがますます大きなムーブメントとなっていることを踏まえると、禁酒キャンペーン自体の価値は高まっているが、寄付型のやり方と多様化に問題があることがわかる。
来年のDry Januaryがこの推論を検証する良い機会となると思う。
2020年のDry Januaryも是非紹介していきたい。
参照サイト
"Yes, alcohol awareness campaigns like Dry July can work, but not for everyone" The Conversation
"Is Sober October the New Dry January?" yahoo! lifestyle
https://www.yahoo.com/lifestyle/sober-october-dry-january-213000333.html
Ocsober https://www.ocsober.com.au/
Go Sober for October https://www.gosober.org.uk/