モクテル/Mocktailとは、ノンアルコールカクテルを意味する言葉としてずいぶん認知されてきました。
しかし、ここで改めてモクテルの歴史や変遷などを含めて改めてご紹介していきます。
モクテルの歴史
モクテル界の先駆者ともいえるシャーリーテンプルが世に出たのが、世界大恐慌のさなか、禁酒法が廃止された1933年です。
このモクテルは、酒場で子供も一緒に楽しめるドリンクを、ということで当時の有名な子役女優シャーリー・テンプルにちなんで名づけられました。
実際にモクテルという言葉ができたのは、この30年代ともそれよりも少し後の70年代ともいわれています。
モクテルとは、「まがいもの」を意味するMockと「カクテル」Cocktailを合わせた造語として生まれました。
当初は飲酒を控える上顧客のためにバーテンダーが創意を凝らしたドリンクとしてごく限られたシーンで登場していましたが、次第に広く普及するようになっていきました。
とは言え、「まがいもの/Mock」という言葉が使われていることからもわかるように、黎明期のモクテルは積極的に取り組まれるようなものではなく、通常のカクテルに比べれば冷遇された立場にあったといえます。
モクテルに、通常のカクテルと同様の注目が集まるようになったのはごくごく最近のことです。
モクテルの進化とアプローチ
ボストンのタパスバーEstragon、バーテンダーはモクテル作りのロジックについて、
クラシックなカクテルをアルコール抜きでリメイクする手法と全く新しいノンアルコールカクテルを作りだす手法の大きく二通りの方法が存在すると言います。
*詳細なモクテルのロジックについては『モクテル作りの基本概念』を参照ください
一見するとクラシックカクテルのリメイクの方がとっつきやすいように思うかもしれません。
しかし、長い年月をかけて洗練に洗練を重ねたクラシックカクテルのモクテルへのツイストは想像以上に難しく、全く新しいものを一から作り上げる方が用意である場合も多いです。
モクテルの味わいにおいて、重要になってくるのは複雑味とバランスの二つの要素です。
先のEstragonのバーテンダーさんは、複雑味を出すために、甘みと酸味を既に持っているブドウ果汁やシュラブ(シュラブについては『SHRUB史』をご参照ください)などを用いると言います。
一方でモクテルにバランスをもたらすためには、意外な食材が役立つことが多いと言います。
例えば、わずかな塩をモクテルに用いることで、甘みが抑えられ、全体に調和がもたらされることもあるそうです。さらに、燻製塩やローズマリーソルトなど様々な塩を使いこなすことで、さらに幅は広がると言います。
モクテルという言葉は次第に認知されてきていますが、では実際にあちこちで楽しめるかというと、まだそこまでは広がっていないのかなという印象を持っています。
アルト・アルコではより気軽にモクテルを楽しめるような、ノンアルコール文化作りのお手伝いをさせていただいております。
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参考サイト
"Everything You Need to Know About Mocktails" Chowhound
"The best mocktail delivery and takeaway in Singapore" TimeOut
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