今回は、お酒の深い歴史と文化をもつドイツの
意外に思われるかもしれないが、ドイツは数量ベースでみれば、世界一ロー/ノンアルコール大国なのだ。実際ロー/ノンアルコール消費量としては、二位のスペインに3倍以上の差をつけているのだから驚きだ。
世界に先駆けてビール純粋令(ビールは麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする、というのもの)を制定したビール大国にして、ヨーロッパでも指折りの酒類消費量を誇るドイツで何が起きているのかを見ていきたい。
何が飲まれているのか?
実際にノンアルコールの何が飲まれているのか、というとビール大国ということもあり、圧倒的にノンアルコールビールが強い。
2011年には2.36億リットルであった消費量は2021年には4.11億リットルまで伸びている。
直近の日本のノンアルコールビール生産量が約2.66億リットルということ、日本の人口がドイツより50%も多いことをふまえると、単純な人口一人当たりの消費量は2.64倍ほどの差がある計算となる。
どうして飲まれているのか?
ここまでノンアルコールビールが躍進した背景は、日本とそう変わらない。
コロナの存在は大きかったものの、そもそもコロナ以前の2019年においても、過去10年間でアルコール消費量は10%ほど減っており、そこにコロナの登場で健康の意識を改善させたということのようだ。
実際に、コロナの規制が緩和・解除され、アルコール消費が戻った後も,ノンアルコール市場は堅調に伸びている。
ある調査によると、ノンアルコールビールを飲用率はドイツ人の46%にも及ぶとされ、文化として根付いてきている感がある。
今後の広がり
ドイツのノンアルコールの可能性はなにもビールだけではない。
ジンで有名なラインラント蒸留所もジンオルタナティブを開発し、世界的な酒類企業であるディアジオから出資を獲得している。
また、ベルリンにはNull Prozentと呼ばれるノンアルコール専門店もオープンしており、そこではノンアルコールビールだけにこだわらず、様々な商品が並んでいる。
消費量世界一のノンアルコール大国ドイツの動向、これからもますます注目を浴びそうだ。
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