クラフトノンアルコールビールの行方
更新日:2021年2月20日

日本では、まだお目にかかることは少ないが、海外では着実と増えつつある、クラフトノンアルコールビール。
クラフトビールだけでなく、クラフトノンアルコールビールのメッカとなりつつあるアメリカは2018年‐2019年の1年間におけるノンアルコールビールの成長は、金額ベースで23%、消費量ベースで13%と堅調に伸びている。
また世界最大のビールの祭典/コンペティションともいわれるGreat American Beer Festivalにおいては、ノンアルコールビールの需要増加を受けて、ノンアルコールビール部門を新設した。
クラフトノンアルコールビールの製法の現場
ノンアルコールビールの造り方については、『ノンアルコールビールの製造方法』でも見てきたが、実際にクラフトノンアルコールビール製造の現場でどのような手法がとられているのだろうか?
現場では、大きく三種類の手法が取られている。
発酵の途中停止
脱アルコール手法
オルタナティブ的手法
1.発酵の途中停止
通常よりも低温で発酵させることで、発酵速度・アルコール生成を著しく低下させることができる。
出来上がった実際のノンアルコールビールは残糖が多いため、通常のものよりも甘く、まろやかテイストになりやすい。
フレーバードノンアルコールビールなどを造っているメーカーの間で採用されることの多い手法ではあるが、全体から見ると少数派である印象。
2.脱アルコール手法
4~6%の通常のビールを生成したのち、いくつかの脱アルコール方法を用いて、0.5%未満までアルコール濃度を下げる。
脱アルコールの難しさは主に二つある。
脱アルコールのタイミングで香気/呈味成分が抜け落ちてします
アルコールを抜くことで、全体のバランスが崩れてしまう
このため、この手法を採用しているメーカーは、それぞれ独自の手法を取り入れている場合も多い。
ノンアルコールビールを造る方法としては、最も古く大手メーカーも含め、広く採用されている方法。
3.オルタナティブ的手法
麦汁をはじめモルトなどを用いて造られる手法。
先の二つの手法と比較すると、ベースが異なるためミクロ視点ではもっともビールと離れたものとなりやすい。その一方で、アルコール度数を完全に0.00%に抑えることができるなどのメリットもある。
欧米のスタートアップメーカーでの採用が増えているほか、自由度が高いため、上記二つの方法と組み合わせながら今後のイノベーションの可能性を秘めているかもしれない。
現状は、それぞれのメーカーが各々の手法でしのぎを削っているクラフトノンアルコールビール市場。製造におけるメインストリームはどうなるのだろうか?
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参考サイト
"Non-alcoholic beer is having a moment" yahoo finance
https://finance.yahoo.com/news/nonalcoholic-beer-is-having-a-moment-210246802.html
"A new generation of non-alcoholic craft beer makers is bringing fresh flavors to the party" wunc91.5