コロナの影響を受けていない飲料関係者は、世界中を見渡してもおそらく皆無だろう。
今回は、コロナ禍(ウィズコロナ)をどう生き抜くのか、どのような変化が起きているのかについて、アメリカでのデータを中心に紹介していきたい。
ウィズコロナ時代のアルコール@SNS
アメリカではロックダウンや外出自粛の中で、アルコールへの注目が大きくなっているようだ。
ListenFirstによる調査では、先月3月のSNS(Instagram、Facebook、Twitter)のアルコールブランドへのエンゲージメントは、前年比で326.51%も高かったと発表されており、これはヘルスケアブランドの131.35%という数値と比べても圧倒的に高い。
『Dry Covid:コロナとアルコール』でも言及したように、緊張状態が続く中では飲酒量は増加傾向にあり、また飲食店などオンプレミスへの投資ができない今、ネット上に多くの資金投入がされていることも一因となっていることは言うまでもないだろう。
ウィズコロナ時代のアルコール@通販
通販については、ニールセンのデータによると、
お酒全般は2020年3月16日(月)からの一週間は371%へ伸びている。これは、おそらくロックダウンやリモートワークへ向けての買いだめによる急激な伸びである。
その証拠に、3月後半以降の伸びは非常に緩やかなものになっている。
3月の最終週末などは前年比122%であり、簡単な内訳としてはビール110%、ビール系飲料17%、スピリッツ&ワイン127%となっている。
またワイナリーが個人向けに販売するDtCビジネスの3月の売上は前年比40%増となっている。
全体として見てると、スピリッツ、次いでワインの伸長が大きい。
要因はいくつか考えられるが、リモートワークでゆっくり時間がとれるようになり、料理などと一緒にゆっくりお酒を愉しめるようになった家庭が多いのではないかと推測できる。
ウィズコロナ時代のアルコール@職場
リモートワークにより通勤時間などがなくなり、より家庭での時間が取れるようになったのは事実であろうが、alcohol.orgの3000人のサラリーマン/OLを対象とした調査によると、全体で22~47%が勤務中に飲酒をしていると答えており、その数値はハワイ州の67%で最も高かった。
また対象者の5人に1人がアルコールの備蓄をしていると答えたそうである。
アフターコロナのオンライン上のアルコール
では、コロナ終息後もこのようなオンライン販売の隆盛は続くのだろうか?
ForbesのThomas Pellechia氏は、今後の行方によってはオンラインでの酒類販売が主流になっていくことも十分に考えられると述べている。
管理方法が品質に大きな影響を与えるアルコールは、普段からお酒を飲む人であっても、通販を使わないという人は少なくない。今回を機に初めてお酒のオンラインショッピングを利用したという人もいるだろう。
リモートワークなどと同様に、コロナは荒療治的に社会システムの様々な箇所への半強制的な変革を迫ることとなった。お酒や飲料の世界もその変革の影響は多かれ少なかれ受けることになるに違いない。
参考サイト
"Online Alcohol Sales Are Rising, But Will It Be A Long-Term Change?" Forbes
"During Self-Isolation, More People Show Online Interest In Alcohol Than Healthcare" Forbes
"Online spending trends in the Corona lockdown revealed" Telemedia Online
"Coronavirus quarantine sends online alcohol delivery sales surging" FOX BUSINESS
टिप्पणियां