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2020年3月4日

デートにおけるアルコールの役割

最終更新: 2020年3月9日

「馴れ初めはマッチングアプリです!」という紹介もずいぶん一般的になってきた。

日本にも、ひと昔の出会い系サイトのような少しドロドロとしたものとは異なる、横文字のもっとスタイリッシュなアプリが増えてきたように感じる。海外ではお酒を飲まない人専用のマッチングアプリも出てきているようである。

だからといって、べつにマッチングアプリの紹介をしようということではない。

今回テーマは、お酒とデートについでである。デートとなると、ついついお酒に頼りたくなってしまう。お酒が入ることで気分がよりオープンになり、話も弾みやすく、距離をぐっと縮めれるような気がする。

ある女性の試み

健康メディアはお酒を減らしなさいと言い、数々のマッチングアプリはもっと出会いなさいと急かす。

そんな二つの要請を同時に達成しようとした女性がアメリカにいる。

彼女は、ひと夏に16人の男性とマッチングアプリを介して出会い、そのつどメディアが彼女に語りかけるDrink Lessを実践しようとした。

飲まずに出会う中で、彼女は何を感じ、何を飲んだのか?

最初のデートは、気さくで素敵な髪のグラフィックデザイナーとビアバーというセッティング。デートはうまくいきこそすれ、Drink Lessの試みは失敗に終わる。

二度目のデートは、イケてないコンピュータープログラマー。出会って5分でデートの失敗に気づき、ジントニック一杯飲んで退散。Drink Lessは成功したが、デートには失敗。

彼女はその後もバーでのデートは抗いがたくお酒が進んでしまう(デートが成功しているとき)ことに気づき公園デートに切り替える等、いくつか施策を打つが、結局彼女のなりの一つの結論に行きつく。

"Alcohol still has a choke hold on dating culture because dating is still one of the most stressful things we do by choice.(アルコールは未だにデート文化に支配的な力を持っている。なぜなら、デートは私たちが好んで引き受ける最も気の張る行為の一つだからだ)"

彼女の意思の弱さはさておき、デートにおけるアルコール、緊張緩和としてのアルコールの役割は考える余地があるように思う。

アルコールの緊張緩和効果

アルコールの緊張緩和効果について、二つの側面から見ていくことができる。

  • アルコールによる大脳新皮質の鈍化および旧皮質や辺縁系の活性化

  • 香りによるリラックス効果

一つ目については、「理性の座」ともいわれる大脳新皮質の働きがアルコールによって鈍くなり、感情や衝動、食欲、性欲などの本能的な部分を司る旧皮質や辺縁系が活性化するということである。

二つ目は、ワインやウィスキーのテルペン系の香気、ビールなどのホップの香りによるリラックス効果のことである。

こうしてみると、アルコールの緊張緩和効果には、アルコール本来の動的な緊張緩和と原材料由来の静的な緊張緩和の二つ目の側面があるように思われる。

動と静、両方を兼ね合わせた緊張緩和効果がデートという特殊な環境下では重宝されるのかもしれない。

次回は、ノンアルコールにおける緊張緩和効果について、見ていきたい。

参考サイト

"A Brief History of My Wildly Unsuccessful, Non-Alcoholic Dating Life" healthyish

https://www.bonappetit.com/story/low-abv-dating

『お酒がもたらす身体的なメリット』 アサヒビール

https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/health/merit.html